♪Weekend CellistのつれづれDaily and Essay♪ ~~~~ 「ハーモニーは結果ではなく重要なのはそれに至るプロセスである。他との関わりの中で自分を確かめる歓び、それが結果として美しい響きとなって聴こえてくるのが理想である。」(武満徹:「調和の幻想」からの一節)
2007年11月19日月曜日
山崎まさよし ; 月・玉ねぎ・Baby
山崎まさよしの最新CD 「YAMAZAKI masayoshi ; COVER ALL HO!」 の感想を少しだけ書いてみます。
⇒ カバーとは(cover version)
他人のために書かれた曲を、アレンジして自分のものにして歌うこと。
ここでArtist(singer & song writer)まさやんが、原曲をいったん自分の懐に取り込んで、板前山崎の腕で調理して新たなオリジナル創作料理のようなテイストで提供しています。
邦楽10曲CDを「HO!」、洋楽10曲CDを「YO!」と区別したネーミング、そして料理人に扮した写真など聴き手(お客さん)を楽しませる術が遊び心があって素晴らしい。(演奏は真っ向真剣勝負!)
「月」 ~和の頂きを目指して~ 作詞作曲:桑田佳祐
サザンを率いる桑田がシンプルな楽器編成で書いた渋い名曲の一つ。歌詞はいかにも桑田らしい。
オリジナルの桑田の歌い方が味わいがあるので、まさやんはここでは意識して特別な味付けをすることなく素材の良さをそのまま活かして調理している。 クリアな声色が心に染みる。
冒頭の尺八と、後半に加わる琴の音色が和の味わいを醸し出している。
「大きな玉ねぎの下で」 ~あの頃の涙を添えて~ 武道館の屋根⇒
作詞:サンプラザ中野
伴奏に使われているのはジンジャミエールスタジオのアップライトピアノだろうか。ちょっと調律が不完全で微妙な響きの濁り具合が、携帯電話という超便利なコミュニケーション手段がない頃のペンフレンドとの遠距離恋愛のつれなさを醸し出している。
まさやんの歌い方は「one more time, one more chance」に通じる熱唱。もう少しさらっと歌ってもいいような歌詞だと思うが、この熱唱がかえってじわっと心の中に涙がこみあげてくるから不思議。これぞ、まさやんワールドだと思わせる。後半から伴奏に加わるカルテットが刻む旋律は私には「八月のクリスマス」の世界を思い起こさせます。
宿命(しゅく~めい) 切なく ・・・ 言葉を大切にして繊細なテクニックを駆使しているのが味わい深さを生み出している。フレーズの最後を装飾音的に処理しているところの味わいテクが隠し味になっている。
「いかれたBaby」 ~音楽の恵みをこの曲に~ Fishmans
初めて聴く掘り出し物の一曲。冒頭の左右2台のギターの音色が美しい。
まさやん独特の節回しがよく効いている。
繰り返し聴くたびに新たなニュアンスを発見できる奥深さのある「和」の世界が広がっている。いいヘッドホンでじっくり聴くのがお薦め。
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