♪Weekend CellistのつれづれDaily and Essay♪ ~~~~ 「ハーモニーは結果ではなく重要なのはそれに至るプロセスである。他との関わりの中で自分を確かめる歓び、それが結果として美しい響きとなって聴こえてくるのが理想である。」(武満徹:「調和の幻想」からの一節)
2007年9月23日日曜日
XYRION TRIO CONCERT at Casals Hall
ドイツを中心に世界的に活躍し、NAXOSレーベルからCDを出している女流ピアノトリオの演奏会が9/21に日本大学カザルスホールで行われました。
⇒トリオ Xyrion Trio
⇒ cello MARIA KLIEGEL(右)
⇒ violin IDA BIELER(中)
⇒ piano NINA TICHMAN(左)
プログラムは ・Schubert ノットゥルノ ・Beethoven 大公 ・Dvorák ドゥムキー
今回の来日ツアー公演の招聘元は音楽事務所ではなく、NPO国際チェロアンサンブル協会(ICES)でした。ICES会員でもある私は縁あって、カザルスホールでのコンサートのstage managerを務めさせていただきました。ピアノ調律→リハーサル→楽屋待機→ステージ本番の流れの中に身を置くという貴重な体験ができたことは本当に有り難かったです。神戸・松本・名古屋と連日同じプログラムで演奏してきているのに、夕方からのリハーサルではクオリティにこだわって細部のアンサンブルについて活発なコミュニケーションが英語・独語チャンポンで行われていました。ほんの少しritardantしてから、refreshして新たなtempo感で弾き出すところなどを手際よく確認し、本番でピタッと合うところはさすが一流トリオです。
独りずつに分かれた楽屋でも本番直前まで細部をさらっていました。本番ステージへの送り出しと演奏後の引き際のドアマンをしたのもいい経験でした。何でもないドア開閉作業ではありますが、メンバーの気持ちの動きを読んだつもりになってタイミングを計るのは心地よい緊張感がありました。Playerのうちの二人はopen maindのアメリカ人であることもあってか、本番前後のステージ袖ではとても賑やかでした。しかしその中にピリッと集中力が感じられてこちらも身が引き締まりました。やはりアマチュアは本番にかける気持ちがぬるいなあと思った次第です。
演奏はどの曲もゆったり目のテンポを基調に、しかし要所要所ではpassionを感じさせる堂々としたものでした。Beethoven最後のPiano Trioである大公トリオは久しぶりに聴きましたがなかなかタフな曲で、とくに最終楽章のピアノはかなり高度のtechniqueを要求されるようです。彼のOp.1がピアノトリオでありPiano TrioはString Quartets と並んでBeethovenの重要な室内楽作品。
メインに置かれたDvorák ドゥムキーは恥ずかしながら初めて曲を聴いたのですが、とても充実した名曲です。作曲者本人もお気に入りで何度も人前で演奏したのだとか。クラシックの森にはまだまだ体験していない名曲が数限りなくあることを再認識しました。これからどんな名曲に出会えるか、その探索の旅の楽しみは老後にとっておきましょう。
今回の演奏会場である日本大学カザルスホールは赤字経営の主婦の友社から日本大学に譲渡されて、現在はホールのある建物自体が日本大学の敷地内になっているため、今後どのようになるかは興味あるところです。通りを挟んで向かい側には明治大学の最新ビル群がそびえており、日本大学としてもエリア開発の計画が着々と進んでいるようです。都心の大学は緑豊かなキャンパスライフではなくて立派なオフィスライフですね。
「日本大学カザルスホール」になってからは舞台技術スタッフはいてもフロアレディーとかはいないのかと思ったら、立派なホールマネージャーがおられて、クロークやドアレディーもいてCoffeeラウンジもやってました。ただホールを取り囲む各部屋は日本大学○○研究室とかになっています。
⇒日本大学カザルスホール
⇒Wikipedia情報
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2 件のコメント:
スタッフのマークをつけてお世話されているのを見ましたよ〜
すごくよかったですね。
いつ切ってもどこ切っても、果汁のほとばしる柑橘系果物のような演奏でした。
ピアノも含めてあんなに3つの楽器がひといろに聞こえるトリオは初めてです。
ご紹介していただいて感謝しています。
ぽけっとさん
my blogにコメントいただきありがとうございます。嬉しいです。
Xyrion Trioのメンバーと会ったのは初めてだったのですが、それぞれにsolo活動をしていて、さらにvc&pf, vn&pf のduo活動もしているので濃密なアンサンブルができるんでしょうね。NAXOSという低価格で良心的なブランドからCDを出していますがこのbrandに「安かろう悪かろう」的なイメージを持っていたことを恥じています。name valueはないけれども実力派を紹介する方針なのかも。ぽけっとさんのblogもゆっくり閲覧させていただきます。
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