2007年9月11日火曜日

小澤征爾/サイトウキネン~未知なる世界へ~


最近、身辺事情が穏やかでないのと、うっかりフローリングでうたた寝してしまって夏風邪をひいてしまい、ブログ更新がすっかりご無沙汰になりました。この歳になると一旦38.6℃まで発熱してしまうとスッキリ直るまでには時間を要するようでカラダがだるくて胆力が消え失せてしまいます。用心しなきゃ。

最近、小澤征爾氏の話題を聞かないなあと思っていたら9/9(日)に半日かけてNHKハイビジョン放送で小澤征爾/サイトウキネンオーケストラ特集をやっていました。一時期は病的に痩せていているようで気になっていたのですが最近の姿を見るとすっかり健康になっておられるようで安心しました。ウィーン国立歌劇場の音楽監督という要職に就いているもののそちら方面での話題が聞こえてこないのは私がオペラへの感心が薄いためなのでしょうか。午後の時間は過去の演奏会の録画でしたが19時から松本文化会館での生演奏。フランスものプログラムで「亡き王女のためのパバーヌ」「デュティーユの新作(世界初演含む)」、そしてメインはベルリオーズ「幻想交響曲」。
ある時の演奏会で指揮棒を忘れてしまい、それでも問題なかったからそれ以来は指揮棒無しで振っているといういかにも小澤らしいエピソードですが、両手の指先から「気」を発しながら全身で音楽を表現する指揮ぶりで一段と繊細さと逞しさを増したように感じました。
世界に散らばって活躍している齊藤秀雄氏の門下生が集って結成したサイトウキネンオーケストラですが、最近ではコンマスに矢部達也、チェロには古川展生など桐朋学園卒の若手名手が加わり、さらにはベルリンフィルなど海外組も混じって小澤征爾と仲間達というメンツ。一流プレーヤーが集まったアンサンブルというのはややもすると敬遠しあってというか、全体としての表現力にまとまりを欠く場合が少なくないですがサイトウキネンオーケストラにおいてはそういう心配はまったく感じさせず、むしろ小澤を中心に求道的姿勢のようなものを感じました。まだまだ研鑽を積んでいこうとする小澤征爾の姿勢には強く心打たれるものがありました。録画を何度も観直しているのですがプレーヤーの集中力がこちらにビンビン伝わってきて知らずと涙腺が緩んでしまいます。すばらしいHarmonizationが行われています。

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