2009年12月10日木曜日

応接間の思い出 ~二人のWilhelm~

昭和の時代のちょっとしたお宅には応接間があって、そこに家具調ステレオが鎮座していた。
さらに棚の中にウィスキーボトルがあったりすると、『大人の世界』を感じたものだ。
まだ10代のボクにちょって応接間は魅力的で、かつ知的刺激をうける空間だった。
残念ながらボクが住んでいた家にはそんな贅沢な部屋はなかったけれど、友達の家にはそれがあった。

Pf : Wilhelm Backhaus

小学校からの帰り道にTさんの家があった。何か用事があって、家に寄ったときに「そうだ、F君は音楽が好きなんでしょ。応接間にレコードがあるから好きなのをかけて聴いていけばいいよ。」

そこで取り出したのが Wilhelm Backhausが演奏する ⇒BeethovenのピアノソナタNo.14 「月光」 だった。



Cond. Wilhelm Furtwangler

S君の家の応接間には風格のあるステレオ装置が置かれていた。
「何をかけようか。  そうだな。フルトベングラーって知ってる? 凄いんだよ。じゃあボクが好きな曲を聴いてみて。」
と言ってかけてくれたのが、シューベルトの交響曲第九番「ザ・グレート」だった。

レコードに針を落としてしばらくして流れてきた音楽に面食らった。
音楽ってこんなにグロテスクでいいんだろうか?と感じつつも、その演奏に引きこまれていった。

こちらはsharp & sportyさが際立つ。schubertが現代に蘇ったら喜ぶだろうか?


(追記)
こうした過去の思い出を辿れるYouTubeの凄さ。膨大な動画・音声データをネット共有(アップも)できる仕組みの運営はいまだ赤字続きなんだとか。Google傘下に入ったおかげでかなり収支改善しているというが。著作権問題もGoogleが知恵を提供していい方向へ向かっているそう。


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